「HUAWEI FreeClip」身に着けている感覚がないオープンイヤーイヤホンをレビュー

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突然ですが、今までにクラウドファンディングを利用したことがありますか?

クラウドファンディングとは?

群衆(Crowd)と資金調達(Funding)が組み合わさった造語で、一般的に新しい製品開発やサービスを行うため個人や企業が不特定多数の人から資金調達する仲介サービスを指す。

そのクラウドファンディングサービスのひとつであるGREEN FUNDINGで、最近ひとつの製品が目標金額の11,000%を超える資金を集めて話題になりました。

その製品が今回ご紹介するオープンイヤーイヤホンのHUAWEI FreeClipです。

スペックや実際に使用してのレビューを後述させてもらいますが、時間の無い方のために「FreeClipって結局どうなの?」というところの結論を先に書いておきますね。

HUAWEI FreeClipの良い点
  • 装着した感覚がないほどの軽さとフィット感
  • イヤーカフ型で眼鏡と干渉しない
  • 解像度が高く聞き心地の良いフラットな音質
  • 左右自動認識やタップ感度など高いユーザービリティ
HUAWEI FreeCliipのイマイチな点
  • 値段がちょっと高い
  • ボリューム調整ができない
  • 着けているのを忘れてしまって逆に危ない

今、オープンイヤーイヤホンの購入で迷っている人にとって、FreeClipは間違いなく買いと言って良いと思います!

もちろん予算もあるので、アンダー1万円縛りなら以前紹介したSOUNDPEATS GoFree2という高コスパイヤホンもおすすめします。

高コスパも魅力的だけど、わずかな妥協もしたくない!って方にはこのHUAWEI FreeClipはおすすめします!

目次

FreeClipの特徴

C-bridge Design

画像引用:HUAWEI

ニッケルチタン形状記憶合金製を使用することで様々な耳の形状に合わせてフィットします。

また、1万人以上の耳の形状データをベースに人間工学に基づいた設計されており、本体重量も片方で5.6gと超軽量なので激しい運動をしても外れにくくなっています。

なま

「人間工学」ってワードを見ると疑ってかかる嫌な性格です。

デュアルマグネットダイナミックドライバー

画像引用:HUAWEI

φ10.8mmのデュアルマグネットダイナミックドライバーが非常に小さなイヤホン本体に内蔵されています。

ドライバー径だけで言えばSOUNDPEATS GoFree2はφ16.2mmという大型のドライバーが採用されています。

反面、SONY WF-1000XM5はφ8.4mmという一見小型にも思えるサイズのドライバーですが、あれほど緻密で重厚感のある音が出るのでドライバー径だけで音質は判断できませんね。

コーデックは、SBC/AAC/L2HCの3種類に対応しています。

最も一般的なSBC、Apple製品で採用されているAACに対応しているためほとんどのデバイスに接続することが可能です。

L2HCというのはHUAWEI独自のコーデックのため、HUAWEI製スマホと接続して初めて有効になるものです。※HUAWEI製スマホでもL2HCに対応しているのは一部です。

なま

aptXやLDACには未対応だけどオープンイヤーには不要かな。

音漏れ対策

画像引用:HUAWEI

Reverse Elimination Wave(逆音波)システムにより音漏れを最小限に抑えます。

とだけ言うと何のことだかわからないと思いますが、イヤホンから漏れる音に対して逆位相の音を出すことで打ち消しあうという原理のようです。簡単に言えば、ノイズキャンセルの反対の考え方でしょうか。

なま

音漏れを相殺する原理がどこまで効果的なのか気になるとこ。

通話ノイズリダクション

画像引用:HUAWEI

通話音声を捉えるマイクと風切音を捉えるマイクに加え、VPU(骨伝導)センサーの3基のユニットから得られる音声をイヤホン内で処理し、ノイズと声を識別してクリアな音声を伝えることが可能となっています。

発売前のレビュー動画を見ても、このノイズリダクション機能はかなり効いているみたいですね。

なま

骨伝導をノイズキャンセルに使うアイデアは良いね!

最大36時間の音楽再生

画像引用:HUAWEI

イヤホン単体で連続8時間、充電ケースを含めると最大36時間の音楽再生が可能です。

また、イヤホンのバッテリーが無くなっても10分間の充電で約3時間の音楽再生ができる高速充電機能もあります。

なま

不意のバッテリー切れって意外とあるあるだから助かるね。

マルチポイント接続

画像引用:HUAWEI

2台のデバイスに同時接続すれば、シームレスにオーディオを切り替えることができる機能です。

例えば、PCとスマホにこのFreeClipを接続してスマホの音楽を聴いている状態で、PCにZOOMの着信があったら自動的にPCに切り替わるというものです。

マルチポイント接続は、最近のイヤホンにはほぼ備わっている機能ですね。

なま

接続先を切り替えるという煩わしい操作が必要ないのは便利。

実際にFreeClipを使ってみた感想(良い点)

装着感が良い

5.6gという超軽量ボディは持った瞬間に軽さを実感できます。

メインでSOUNDPEATS GoFree2(9.0g) を使っていた私が、SHOKZ OpenFit(8.3g)を持った瞬間に「軽っ!」って声が出てしまうほど公称値0.7gの差を体感したわけですが、FreeClipはOpenFitよりさらに2.7gも軽いんです!

GoFree2は耳に引っ掛けるタイプですがFreeClipはイヤーカフタイプで耳の横を挟み込むタイプなので、耳にどんな負荷が掛かるのか装着するまで全くイメージ出来ませんでした。

挟み込むタイプだと、簡単に外れたり耳を圧迫したりするのか?と不安に考えていましたが、全くの杞憂でした。

装着した当初は耳の縁を挟み込んでいる感覚はあるものの、すぐに装着していることを忘れてしまうほどです。

これは極限まで軽い本体と、絶妙な力加減で挟み込んでくれるC-bridge designのおかげですね。

操作感が良い

FreeClipはバッテリー側(コンフォートビーンズ)とスピーカー側(アコースティックボール)の2つのユニットをブリッジで接続、耳を挟み込むようにCの形状をしているのですが、この2つのユニットとブリッジのどこをタップしても操作ができるようになっています。

イヤホンはボタンの場所が見えないので直感的に操作するしかありません。

そのため、タップする場合はボタンの位置がわかりにくいと操作がやりにくいんですよね。その点、AirPodsのようなわかりやすい形状は理にかなっていると思います。(見た目の好き嫌いはあるでしょうけど)

ちょっと脱線してしまいましたが、前述のようにFreeClipはタップするポイントがどこでも良いのでほぼ誤タップすることはほぼありません

操作ミスが少ないってのは地味なんですが意外とストレスフリーなんですよね。

あと、FreeClipは左右の概念がありません。

同じ形状をしているためどっちの耳にはめても良いのですが、どっちの耳に装着したかは自動検知するようになっています。

装着時に左右を気にしなくても良いのは便利なのは間違いないんですが、ケースにしまう時に左右を気にしなくて良いってのもかなり便利です!これは目から鱗でしたね。

音質が良い

今回、HUAWEI FreeClipを初めて使ってみてあまりの音の良さに「おぉぉ・・・」と声が漏れてしまいました。

低域から高域までスムーズなので聴き心地が良く、クセのないフラットな音だと感じました。

また、解像度が高く、音の広がりも自然な感じでしたね。

決して「フラット=面白味のない音」というわけではありません。

カナル型のように遮音性があるわけでもなく、開放型ヘッドホンのように大口径ドライバーが使えるわけでもないオープンイヤーイヤホンでこれだけバランスの良い音が出せるのは凄いと思います。

音漏れが少ない

今まで使用していたイヤホンと同じくらいのボリュームで聴いていても周囲への音漏れが少ないように感じます。

逆位相の音で音漏れを打ち消す機能が効いているのかもしれません。

原理的に音漏れが少ないと考えられる骨伝導のOpenRun Proと比べても大差ないくらいに抑えられています。

音漏れが小さいということは、それだけボリュームを大きくできるということです。ボリュームが大きい方が絶対的に優位なので「音漏れが少ない」というのは重要なポイントだと思いますよ。

ノイズキャンセル性能が凄い

これはFreeClipを使っている側ではなく、会話の相手側が感じる部分ですが、子供にFreeClipを装着して外に出てもらい自宅でその音声を確認してみました。

声なので録音データを公開することはできませんが、驚くほど周囲の雑音が聞こえません

ノイズを消すと会話の声も不自然になったりすることがありますが、FreeClipにはそれがありません。

環境音によってこの辺りは違いが出てくる可能性はありますが、かなり優秀なノイズキャンセル機能だと思いました。

バッテリー持ちが良い

イヤホンのバッテリー持ちを確認するには、実際に使ってみるしかない!

ということで、今回もフル充電状態から何時間音楽再生できるかをテストしてみました。

結果は、イヤホン単体で約7.5~9時間でした。

充電回数再生時間ケースバッテリー残量
17.5時間100% > 80%
28.0時間80% > 58%
38.5時間58% > 26%
49.5時間26%> 0
5.0時間0

今回のテストでは、ケース+本体で合計約38.5時間使用できました。

基本的にマルチポイント接続しており、パソコンやスマホから音楽再生や通話に使用したりとごく一般的な使用方法でこの結果はかなり良いのではないでしょうか。

実際にFreeClipを使ってみた感想(惜しい点)

安くはない価格

正直なところ、弱点と言うほどの弱点はないです。

本体の表面がテカテカで手垢が目立つとか、イヤホンぽさが無いからアクセサリに見られそうとか強引に弱点を言えなくはないけど、弱点と言えるほどのマイナス点に思えません。

それどころか個性的なデザインとして私個人としては好きなくらいです。

従って、万人にとって弱点と言えるのは価格くらいでしょうか。

27,800円は一般的なイヤホンの値段としては安くはありません。が、他ライバル機と比べてとびぬけて高いかと言えばそんなことはありません。

  • HUAWEI – FreeClip 27,800円
  • SHOKZ – OpenFit 24,880円
  • SONY – LinkBuds 26,400円
  • Oladance – OWS Pro 34,800円

私の場合、クラウドファンディングで支援したことで約2.4万円で購入できたので、余計にお得感がありますね。

今後、Amazonなどのセールで安くなるタイミングもあるかもしれませんのでそれまでグッと我慢するのもひとつかと思います。

ボリューム調整ができない

左右のイヤホンにジェスチャーによる機能を割り当てることができます。

ダブルタップとトリプルタップの2パターンなので計4種類を割り当てることができるんですが、「再生・停止」「次の曲」「前の曲」「音声アシスタントを起動」の5種類しか機能がありません。

SOUNDPEATSのGoFree2は音量調整が割り当てられて非常に便利だったので、FreeClipでもファームアップで対応してもらいたいとこです。

2024年5月31日追記

ファームアップで「ボリューム調整」が可能となりました。

アコースティックボールの長押しで音量アップ、コンフォートビーンズの長押しで音量ダウンできます。少しやりにくさはあるんですが、単体で調整できるようになってかなり快適になりました。

着けてることを忘れてしまう

本当に付けていることを忘れるくらい、耳への負担がありません。

これは非常に大きなメリットなんですが、時としてデメリットにもなります。

それが、本当に忘れてしまうためFreeClipを耳に付けたままマスクを外したり服を脱いだりしてしまうことがあるんです。

いくらフィット感が良くても物理的に引っ張られると簡単に外れてしまうため、ポロッと落としそうになったことが何度かありました。

幸い落とさずに済みましたが、光沢のあるデザインなので傷は目立ちやすいため、気を付ける必要がありますね。

他イヤホンとの比較

スペック比較

左から、Google Pixel BudsPro、HUAWEI FreeClip、SOUNDPEATS GoFree2

FreeClipとライバルになるであろう機種とのスペック比較をしてみました。

スクロールできます
HUAWEI
FreeClip
SOUNDPEATS
GoFree2
SHOKZ
OpenFit
SHOKZ
OpenRun Pro
伝達方法オープンイヤーオープンイヤーオープンイヤー骨伝導
重さ(イヤホン1個/ケース)5.6 g / 45.5 g9.0 g / 54 g8.3 g / 57 g29 g / –
充電方式USB-CUSB-CUSB-C専用ケーブル
バッテリー(イヤホン/ケース)55 / 510 mAh60 / 450 mAh58 / 600 mAh140 / – mAh
連続再生時間8 時間9 時間7 時間10 時間
ケース込み再生時間36 時間35 時間28 時間
対応コーデックSBC / AAC / L2HCSBC / AAC / LDACSBC / AACSBC
ドライバサイズφ10.8 mmφ16.2 mm18 x 11 mm
周波数帯域20 Hz ~ 20 kHz20 Hz ~ 40 kHz50 Hz ~ 16 kHz20 Hz ~ 20 kHz
感度非公表非公表95.5±2.5dB105±3dB
防塵防滴(イヤホン本体)IP54IPX5IP54IP55
発売日2024年2月2023年11月2023年7月2022年6月
価格27800円7,880円24,880円23,880円

勝手に採点

サイズ感の比較に並べただけで、Pixel BudsProは比較していません

私が持っているオープンイヤー/骨伝導イヤホンは下の3機種。

  • HUAWEI FreeClip
  • SOUNDPEATS GoFree2
  • SHOKZ OpenRun Pro

これらを項目ごとに採点してみました。※OpenFitは持っていません・・・スミマセン

スクロールできます
装着感音質音漏れ操作感バッテリー通話品質接続性携帯性デザイン価格総合得点
HUAWEI
FreeClip
554455554143
SOUNDPEATS
GoFree2
332344343534
SHOKZ
OpenRunPro
134554521234

HUAWEI FreeClip

最新機種で値段も高いだけあって他の追従を許さない性能でした。

他に比べて音質が優れていたのはもちろんのこと、骨伝導に引けを取らない音漏れの少なさも驚かされました。

装着感も満場一致(?)で満点、また、インカムとしての性能も抜群で周囲のノイズを綺麗に除去して声だけを拾ってくれるのは素晴らしいの一言。

ちなみに、SHOKZのOpenFitも少しだけ視聴する機会があったのですが、音質はFreeClipと同等レベルに好印象でした。

SOUNDPEATS GoFree2

GoFree2は本来もっと高得点でしたが、比較対象にFreeClipも加わったことで点数が全体的に下がってしまいました。

ただ、他が2万円越えの中、唯一の1万円切り機種と考えたら十分コスパの高い製品と言えます。

長期使用していて気になったのは、接続性があまり良くないように感じました。

音楽再生中に着信があった時に大きいノイズが入ることがありました。※パソコンとの接続時

SHOKZ OPENRUN PRO

音質は可もなく不可もなく。

唯一の骨伝導ということで音漏れに関してはかなり優位でした。

弱点は、あの装着感と携帯性。

私の頭の大きさが一因でもあるんですが、長時間の使用はかなり辛いです。というか無理です。そしてネックバンドがある分、ケース自体も大きいのでバッグ容量をかなり占有してしまいます。

まとめ

FreeClipは、音質や装着感、音漏れなどオープンイヤーイヤホンとしての重要なポイントが高次元でクリアできている非常に優秀な製品だと感じました。

金額が27,800円と、ながら聴きをするのがメインのイヤホンで3万円弱と考えるとやはり躊躇してしまう気はしますね。

ただ、「ながら聴き」=「長時間使用する」機会が多いとも言えるので、使用頻度の高いイヤホンにそれなりの対価を払うのは決して間違ってはいないのかなと思います。

そう自分に言い聞かせてるって言い方もできますね!

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